あなたの視線

―結婚式、当日。


朝から嫌になるくらい
の晴天。まぁあいつの
結婚式だからしょうが
ないか‥。


コーヒーを一杯飲み


軽く髪をセットして
スーツに身を包んだ。





式場につくと懐かしい
顔が近寄ってきた。


「誠也!」


「聡〜!
おめでとう。」


「さんきゅ!」


「お前目が赤いぞ」


「ゴミだよ!ゴミ!!」


まぁこいつが涙もろいの
は昔から知っていた。


「そういや、誠也。
今日‥紗英もくること
になってるんだ」


「あいつ帰ってきて
たのか‥

竜治は?」


「あいつは仕事の
都合で早く終われたら
後でくるって」


「そっか‥
紗英も仕事人間と
付き合ってると
大変だな〜」


「お前‥


紗英のこと
もういいのか?」


「いいも何も、
紗英は今竜治と
付き合ってんだし

それに、俺と紗英は
もうとっくに
終わってるよ」


「‥ならいいんだ。


じゃまたあとでな!」


「おうっ!」


俺は聡の背中を
見送った‥。