次の日の朝。
教室の前の廊下に、由香がいた。
例の不良(というかギャル)と一緒に…。
「えっ、由香」
「あぁ、優音。おはよう」
「おはよー!って、どしたの!」
私は由香とギャルを交互に見る。
「何もないよ?」
由香は優しく笑った。
特に困った顔もしていない。
「由香ぁ〜?早くっ」
ギャルに急かされて、由香は焦った様子を見せた。
「あっ、は〜い!じゃあ優音、また後で!」
「う、うん」
笑顔で手を振る由香。
私も自然と振り返す。
どこに行くんだろう?
何するんだろう?
大丈夫かな?
あのギャルに何かされないかな?
でも全然困ってないし…。
うーん?
私の頭の中にはてなマークがたくさん浮かんだ。
大丈夫でありますように…。
教室に入って、自分の席に着いてボーッとした。
しばらくして、由香が教室に入ってきた。
その表情はどこか嬉しそうだった。よく見ると頬が赤い。
「由香、なんか顔赤いよ?」
「え、そうかな…」
「何?なんで照れるの?何があったの?」
「いや…」
ますます顔が赤くなる。
するとガラッと教室の扉が開き、ギャルが入ってきた。
「由香ぁ〜!良かったねぇ!!喜んでたよぉ、あいつ!」
「理穂ちゃん、声大きいよ…」
由香の顔は真っ赤だ。
「ごめんごめん。ふふ、可愛いなぁ〜!まぁ、お幸せに!」
そう言ってまた廊下に出ていった。
私は頭の中のはてなマークをさっきよりも増やす。
…全く話についていけない。
気になる。
由香に聞いてみよう、と思ったところでチャイムが鳴ってしまった。
私はしぶしぶ席についた。
