終わったあとすぐに中川にしゃべりかけた。
…友達も一緒に、だけど。1人は恥ずかしいから。
友達は、中川をいじる。
中川は露骨に困った顔をする。
でもそんな顔も好き。
「中川って好きな子いないの?」
私の幼なじみの玲がニヤニヤしながら聞いた。
えっ、いたらどーしよ〜。
「えっ、いやぁ!いないって!」
なんて言いながら、顔を赤らめる中川。
「怪しい〜!」
皆でからかう。
「いねーよっ!」
中川はその場からダッシュで逃げた。
その背中を目で追い掛ける。
かわいい。
「中川の好きな子誰だろ」
玲が言う。
「優音じゃない?」
皆が私を茶化した。
「そうだといいなぁ」
でもいないって言ってたよな〜。
他の人が好き、なんて嫌だけど、好きな人がいないっていうのもなんかやだ。
「あの人恋しなさそう」
いつも冷静な早苗が言った。
そう。それ問題だよね。
恋しなかったら私のこと好きになるはずもない。
「あぁぁぁどーしたら〜〜〜」
頭をもしゃもしゃにして叫んだ。
「まぁまぁ。ゆっくりゆっくり」
早苗が言った。
自然と心が落ち着いた。
「…うん。頑張る」
ほんと、皆だいすきだぁ。
中川もだいすきだぁ〜!
