誤魔化すように前田くんが喋りだした。
「実は、バスレク…」
でも途中で、扉が勢いよく開く大きな音がした。
「アキ〜!来たぞっ」
水城くんが元気な声と笑顔で入ってくる。
「あっ、優音ちゃんやっほ〜!今日実行委員決めた?俺さぁハイキングやろうと思ってたんだけど他の人もいっぱいいてさぁ〜そうそう、アキも一緒にやろうとしてたんだよね〜
でも2人で決めた第二候補のバスレクにしたよ〜あぁ〜ハイキング楽しそうだったのに〜軽くショック〜アキはどうだった?ハイキングになった?アキのクラスでも人気だった?」
水城は1人で一気に喋った。
水城くんはすごくお喋りらしい。
途中で疑問文もあったのに、すっ飛ばして続けて喋ってしまった。
最後なんか質問攻めだ。
前田くんは無表情でそれを聞いていた。
もしかして前田くんが無口なのって、水城のせいなんじゃ……。
