その日の放課後、いつも通り図書室に向かった。 今日は前田くんのほうが早かったみたいだ。 もう鍵は開いていて、扉を開けて中に入る。 前田くんは返却口、私は貸し出し口。 これが定位置になっていた。 「今日早いね」 「ああ」 いつも通り無愛想。 私は今日気になったことを聞いてみた。 「なんで今日、バスレクに変わったの?」 「ダメだった?」 「ううん、全然。むしろ嬉しかったよ」 「……」 よくみると顔が少し赤かった。 え、照れてる? 意外に可愛いじゃん。