しばらく誰も入って来ず、沈黙が続いた。
その沈黙を破壊するような勢いで扉が開いた。
「あきー!遊びに来たぞ〜」
入ってきたのは、図書室の雰囲気には合わない、元気で活発で部活してそうな男子だった。
制服は校則を破りに破った着方で、髪の毛は中学生にしては少し長めだったが、くせ毛ではねていた。
この人知ってる。
確か名前は、水城…。
苗字しかでてこない。
あまり関わらない人だ。
笑顔でこちらに近づいてくる。
「お、なんだ。今日は女子も一緒じゃん」
「お前図書室なんだから静かにしろよ」
さっきまで無表情で無言だった前田くんが喋り始める。
「何だよー!せっかく親友が来てやったのにさ」
「…」
「今日も無愛想だな」
「うるせぇよ」
私は前田くんと水城くんを交互に見ていた。
絶対あわなさそうなのに。この二人。
