言葉にしなきゃ伝わらない。

「どや?ビックリしたか?・・・って、ビックリしすぎて顔が面白すぎやろっ!!」


『えっ!?』



空を見てると、真上から笑い声が聞こえた。



「写真や、写真!これな、携帯で写真も撮れんねんで?凄いやろーほれ、見てみ?」


ニカッと白い歯を見せて携帯を私の目の前に見せた。




『うわっ!』



男の子は綺麗な笑顔で私の肩を抱き抱えている・・・・が


問題は私だ。



白眼むき出し・・・とまではいかなかったけど、見事な半目状態。



「これは、記念品やな!ロックかけとこ♪」


『ちょ・・・いや....ちょっ!!』


ニヤニヤしながら私から携帯を奪い取り、鮮やかな操作で写真をロックしようとしている。


私は阻止せねば!のごとく、必死で奪い返そうとするが・・・




「美月・・・ホンマ、小さいな...」


少し呆れ気味で私の名を呼んだ。




“美月”・・・



ねぇ、今...


私の名前、呼んだよね?