ぎゅっと目をつぶって一心不乱に走った。

ザァァッと強い風が私の耳にかする。




暗い場所には慣れてたつもりでいた。



だって私は明るい場所には無縁な人間



体中に刻まれていく傷を、ただ見てるだけしかできない。


暗い闇しか見ることが出来ない。



明るい場所なんて・・・・




―――えっ?


急にまぶたの裏に明かりを感じた。

少しだけ開けようとして....


でも、少し戸惑って、また目を強く閉じる。



「ほら、こっちおいでや」


声がすると、急に手を引っ張られた。



ビクッ


一瞬、体が震える。




でも...どこか温かみのある声に私は包まれ――。





まぶたを開けた。