「・・・んーと、それじゃ陽向は...そこの席って事で。お前のせいでホームルームが、メチャクチャになったじゃないか~」


はぁ~っとため息をつきながら弱弱しそうに吐く。

先生の肩ががくっと下がった。




「あははっすみませんな~センセ」


それを悪びれそうにもなく返す優心。

ペコッと軽く頭を下げる、それがまた皆の目を惹く。



「・・・まぁ、いいか。...はい、それじゃあ皆にお知らせだ。毎年の恒例行事だから知ってると思うんだがな、陽向以外は。7月7から、3週間の間は「月見祭(ツキミサイ)」だ。2週間が準備期間、そしてラストの1週間が月見祭本番だからな」


大丈夫か陽向?と、言うと、ちらりと優心を見る。




月見学院高等部の毎年恒例の行事、月見祭。


クラス一丸となって、月や星、星座、空、宇宙...など、1つテーマを決め、クラスの展示作品を作る。



クラス全体で調べ、1つの作品を作り上げる。


毎年毎年、クラス仲を深めよう...そんな校長の計らいで決まった、月見市ならではの行事ごと。


我が月見市は、昔から月や星、星座などの神話が数多く残っていることから、この名がつけられたらしい。


授業にも取り上げられるほどなので、これを目当てで入学してくる生徒もかなりいる....と、入学式で言っていた。