差し出された手....ねぇ、これって・・・素直に握手していいの?
どうすればいいか迷っていると、優心が私の手を掴み乱暴に握手をさせる。
「おっし、これで友達な?」
ニコニコ笑いながら、握り合った優心の手と私の手。
「・・・あははっ....」
思わず苦笑。
それしか出てこなかった。
・・・・――――って!!!
こ・・これは、もしかして!!??
その瞬間、頭によぎった1つの考え
それは
「もしかしたら演技なのかもしれない」ということ。
だって...だって、こんな全く覚えてない初対面の人に握手なんて出来る!?
―――ううん、出来ない。....って私は、だけど...
微か過ぎるが少し希望がある。
昔の事を皆の前で言うと、めんどくさくなるとか・・・そんな感じで。
じゃなきゃ、こんなに自分勝手な行動なんて取らないし
この握手も“後で話がある”とか“お久しぶり”的な挨拶なんだと思うし....
何故か、そう考えると1つ1つのパーツで組み合わさっていくようで、何の違和感も感じなかったんだ。
“あんなに長く一緒にいたんだから、忘れるはずがない。”
この思い1つで、すべて「自己完結」していた。
この時は思いも知らなかった。
“自殺した”という噂が飛び交ったのも、“優心の心の闇”も“優心の過去”も...
・・・すべて。
