下唇をぎゅっと噛み、我慢する。
大丈夫...大丈夫って...何度も言い聞かせる。
そんなことしかできない私・・・――大嫌い...
「えーっと、それじゃあ陽向の席決めないとだな!!空いてる席は~・・・」
そう言って教室全体を見る。
今、空いている席は――3つ
一番前の3列目
一番後ろの2列目
・・・そして、私の隣。
確率は3分の1
皆、隣は女子の席で、女子の皆は瞳をキラキラさせながら祈るように拝んでいた。
・・・複雑な感情
他の女の子に取られたくないって思う...
・・・けどね、私の隣も...気まずいし、心の整理が出来てないから..
死んでいた人が生きていた。
大好きな・・・大好きだった人が目の前にいる。
そんな夢みたいな展開に追いつけないでいる――私。
