ブラスバンドラブ

クラスでは新しい友達も増え、
部活を決める時期に入った。


中学の入部希望は、
仮入部の時間が長いので
たくさん迷ったり、
たくさん考えたりする友達もいた。

私は小学生から決めていた
バレー部に入ろうと
決めていたので、
さっそく放課後は
体験入部に参加した。

オーバーハンドのやり方を
教えてもらったので

先輩「じゃあボールを投げるから、オーバーで返してみて」

藍「はい」


オーバーで返そうとするが、
思った以上にボールが高くて
打ち返せなかった。

それでも、何回も何回も
練習していたその時−。


藍「…っ、痛っ…」

なんだか右手の親指の付け根が
ズキズキと痛む。

見ると、その手は赤く腫れていた。

藍はただの打撲だと思い
練習を続けていたが、
次は左手の親指の付け根が痛む。

左手も右手と同じように
赤く腫れていた。

先輩は、私の手の異変に気づいた。

先輩「ちょ、大丈夫?!あそこで手、冷やしてきて?」

あそこというのは、職員室前の
外の手洗い場だ。

しばらく冷やしていると、
バレー部の顧問の先生が来た。

先生「大丈夫か、これ…」
藍「あっ、多分ただの打撲だと思うので大丈夫ですよ!」
先生「いやでも…一応病院に行った方がいい。だから、今日は帰りなさい。」
藍「はい…」


…私ってほんと鈍臭いしバカだなあ。