真理子の人生

焼き肉屋の帰り道に紗弥加が語った紗弥加理論は以下の通りである。

「のんけの男を男好きにすることはできないが、のんけの女は女好きにすることができる」

というものである。
のんけというのは、ゲイでもバイでもレズでもないノーマルな人のことを意味する。

私は「ほんまかいな?」と思い、具体的な事例を紗弥加教授に求めた。

紗弥加教授は、私を指差した。

そう、彼女によると私はのんけの女だったのにバイにされていたのだ。

どないしてくれんねん。

紗弥加理論によると女は誰でもバイやレズになるそうである。

バイやレズにする方法は、ターゲットを家に呼んで無理矢理キスするというものらしい。

それだけでバイやレズになるのだそうです。

私はその理論はいまだに信じていないが、少なくとも私ともう一人は紗弥加さんによってバイにされている。

もう一人というのは、早紀ちゃんである。

焼き肉屋の日から一週間も経たないうちに早紀ちゃんは紗弥加さんにこちらの世界に連れ込まれていたのだ。

私の知らない間に、紗弥加さんと早紀ちゃんはできていた。

私は浮気されているのである。

浮気されていたことはショックではなかった。

むしろ、別れるキッカケができて嬉しかった。

これで、私は自由に店長やボーイやお客様とやりまくれるのだ。

紗弥加さんとはそれ以降、体の関係はなくなった。

ちなみに、浮気はこれまたセックスの現行犯であった。

私が紗弥加宅に突然訪れたところ、二人はされていたのである。

キャバクラのナンバーワンはバイ、ナンバーツーはレズ、ナンバースリーはバイと変な店になってしまいました。