真理子の人生

スナックを閉めた後、私は塾に通うことになった。

塾など行きたくなかったが、母がどうしてもと言うので通わざるをえなかったのである。

私は家から少し離れた小さな塾を探してきた。

母は私が塾にさえ行けばよく、どんな塾に行こうとよかったのだ。

塾の月謝として母は毎月一万円をくれるという。

一番安いコースでもとても足りない。

私の母はここらへんが痛々しい。

ただ、私はそれが言えなくてスナックで働き貯めたお金で不足分を払っていた。

お金を節約するために、塾では苦手な数学だけを習った。

塾の初日に友達もできた。

塾での友達はみんなセックスを経験していた。

そういう話をする人が今までいなかったので、私は塾に行くのが楽しみになっていた。

そんななか、私が塾に入って一週間ぐらいして滝川息子が入塾してきた。

この塾は同じ学校の奴らが通わないような場所にある。

だから、私はこの塾を選んだ。

それなのに、なんで滝川息子がいるのだ。

偶然なのか?

いや、わざわざ私をストーカーしてるのだ。

たぶん、母が滝川オヤジに言ったのを滝川オヤジが息子に言ったに違いない。

塾の帰りに、さっそく息子は私に話しかけてきた。

「この前はごめん」

と言ってきた。

私はムカついていたが、

「私もなぐってごめん」

と言った。

私は滝川息子より大人だから許してやったのだ。

私は滝川息子と違いセックスを経験しているのだから。

それも男も女もである。