「佳奈さ、今日ほんとどうした」

俺は聞いた。

佳奈は答えない。

「かーなー」

呼んでも返事がない。

「佳奈?」

「圭人って、彼女、いる?」

はっ!?

「なんだよ、いきなり。別にいねーよ」

「ふぅん」

そっけないあいづち。

「そういうお前はどうなんだよ」

「いるわけないじゃん。あたしは……」


そう言って、佳奈は黙り込んだ。