俺の服の裾を佳奈がつかんでいた。 ばか、かよ……?? 「…なに」 「もどっちゃう、の?」 「はっ!?」 「…あっ、えっぁ…ごめん、なんでも、ない」 大きく首を横にふる佳奈。 ただ、その仕草が俺のSっ気をかきたてた。 「ふぅん。じゃ、この手、何?ホントは戻ってほしくない?」 俺が聞くと佳奈はパッと手を離した。 少し顔が赤いのは俺の気のせいだろうか。 「佳奈ー?」 目の前で手をひらひらとふってみる。 反応は、ない。 「……よ…………て」 「え?」 「…戻らなくて、いい……よ?」