「かれんの蜂蜜レモンも好評だったし。今度は自分で持ってきたらいいじゃん」 なかなか首を縦に振らないあたしに、優人が追い討ちをかけるように言葉を並べる。 「んー…、でもなぁ…」 「何が嫌?遠くまで行くのが?」 「ううん。それはいいんだけど…。行っても、誰もいないし…」 夏穂とか友達がいなかったら応援しにくいし。 一人で声出して応援とか、苦手。 「そっかー…あっ、でも」 「…?」 雑誌からパッと視線を上げて、優人が目を合わせる。 表情をワントーン明るくして、ニッコリと笑って。