「うぬぼれかもしれないけどね、佐藤先輩ファンの中であたしが一番近付いてると思うの」
あたしの耳に口を寄せ、こっそりとささやいた夏穂。
こんなのかれんにしか言えない、って。
「…えへへっ、あたしもそう思う」
「なんで笑うのー!?」
「嬉しいんだよぉ」
夏穂とあたしがこんな風に二人だけの秘密を共有できる関係だってことも、夏穂と佐藤先輩が近付いてるってことも。
実際に、夏穂ほど佐藤先輩と喋る女の子は見たことないし。
大好きな友達がその大好きな人とうまくいくなんて、幸せだなぁ…
「かれんありがとう!大好きっ!」
「あたしも大好き!ずっと応援してるね」
ぎゅっとあたしに抱きついた後、夏穂は笑顔で自分の席に戻っていった。

