「校舎内ですれ違ったら喋ったりするでしょ?」

「うん。週に一回はメールもしてる」

「…なら、大丈夫だよ。夏穂の気持ちは伝わる」


週に一回はメールする、なんて。

瀬戸先輩のアドレスも知らないあたしには、想像もつかないよ。


ていうか瀬戸先輩ってメールしなさそう…。


「よし!あたしもっとがんばろ!
明日は部活だし、もっと行動するっ」

「あ、そっかぁ。バス一緒だったね」


料理部の活動がある日は、あたしが優人を待つ関係で、佐藤先輩と夏穂はバス停まで一緒に行く。

その時間が、一番長く喋れるんだって。



─…実は、あたしもその日は瀬戸先輩と一緒に帰ってるんだけど。

駅の近くのマンションに住んでる先輩は、優人と帰るから、結果的にあたしも一緒に帰るわけで。


…すごく、楽しい。