─…くもり。
冬の曇り空は暗くて、なんだか心が晴れない。
雨が降りそうな、でも雪も降りそうな、
そんな、12月に突入しました。
「もう~、寒いっ」
ブレザーの袖から覗いた薄ピンクのカーデに指先を隠しながらあたしの席にやってきた夏穂。
「窓際って寒くない?」
「寒いよー…でも夏穂の席も負けず劣らずだよね」
「廊下側もなかなか寒い!」
相変わらず、あたしの席は窓際。
冬は少し寒いけど、あたしにとっては特等席で。
毎朝8時7分。
月曜の五時限目の後
木曜の三時限目の後。
窓を覗けば瀬戸先輩が、見える。

