レモンにはちみつ




運動部に所属したことだってないし、大きな怪我もしたことないあたしに先輩の痛みはわからない。


でも、
胸が絞られるように苦しくて、
うまく息ができないよ。


「失礼しました」


動くこともできなくて、先輩に向けていた視線が振り返った先輩と交わる。



「あ…、宮田さん」



バツが悪そうに、頭をかいて、眉を下げて。



「…なんで…?」



こんな時も、

先輩は笑顔しか見せないのですか?