レモンにはちみつ




「─ じゃあ、持てる?」


職員室に着いて、あたしの腕に残りの3分の2の重みが舞い戻る。


…なんか、現実を見せられた気分。


「もうノート落とさないようにね」

「…。またからかってます?」


口を尖らせて先輩を見ると、乾いた笑い声が耳を刺激した、


他人行儀じゃない会話が、嬉しい。


「なら。…失礼しまーす」


あたしより先に職員室のドアを開けた先輩は、まっすぐにバスケ部の顧問の先生のところへ歩いて行った。


「…失礼、します」


あたしも、同じように数学担当の先生のところへ歩いた。