隣の夏穂は佐藤先輩に夢中だし、瀬戸先輩はマネージャーさんとの話に夢中だし。
あたしだけ、先輩と近づいてゆく距離にあたふたして。
逃げる間もなく、瀬戸先輩の丸い瞳があたしを捉えた。
「あ!宮田さん、おはよー」
「あ…おっおはようござ、います…っ!」
…ああ、もう。
あたしのバカ。
噛みすぎだよ…。
いくら、先輩が満面の笑みで近付いてきたからといって。
さっきまでマネージャーさんに向けられてた笑顔をあたしに見せる先輩に、あたしの心臓はパンク寸前。
どきん、どきん、って。
頭にまで響いてるよ…
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