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「うっわ、また人多いね」
「ほんとだ…」
優人を見送ってから二時間寝て、また起きて試合の応援にきた。
この前みたいに、夏穂と。
ひとつ違うのは、あたしも夏穂も、会いたい人がいてここに来たということ。
「佐藤先輩はー… あ、練習してるっ」
体育館のコートを楽しそうに見つめる夏穂の隣で、あたしはスタンド席を見回す。
─ あ。いた。
マネージャーの人と楽しそうに笑いながら、こっちに歩いてくる瀬戸先輩。
ど、どうしよっ…
会いたいんだけど、
話したいんだけど、
あのはちみつレモンが、もう先輩の口へ入ったと思うとなぜか恥ずかしくて。
何て言えばいいのっ…?

