「マジで!みんなすっげぇ喜ぶよ」
かぱ、と蓋を少し開けて中を覗いた優人が笑う。
あたしも、思わず笑みを溢した。
「それで元気出して、試合勝ってね」
「当たり前だっつの。かれんが来たら優勝するし」
「…ふ。大げさ」
いつものように自信満々で答えて、タッパーをスポーツバッグに入れた優人。
「本気で言ってんだけど」って言って笑った後、あたしに一歩近付いた。
「がんばってくるから。応援来いよな」
そう言って、手を伸ばして。
「あっ… もー、また髪ぐしゃぐしゃにするんだから」
「これでエネルギーもらってんだから、しょうがねぇよ」
そんなこと言われても…。
ぐしゃぐしゃされると、もつれやすいあたしの髪は直すのが大変なんだから。

