「~~っ、ごめんなさいっ!!」

「アハハ!全然大丈夫だよ」


あたしの焦り具合がおもしろいのか、楽しそうに笑う先輩。


ほんとにほんとに恥ずかしいっ…


頬を冷ます風に顔を上げると、駅が目に入った。

今までで一番短く感じた学校から駅までの道のり。


あと少しで駅、というところで先輩は立ち止まった。


「─なら。俺ここだから」

「…え? 電車じゃないんですか?」

「んー? 俺んちこのマンションなんだ」


そう言う先輩に促されて見上げた先には、大きなマンション。


落ち着いた茶色の壁がオシャレなマンションは、駅前なのに静かな空間を醸し出していて。