「ほんと、ごめんなさいっ…」
「いーのいーの! 反射神経だけはいいからさ」
反射神経がいいと、バスケもうまくなるのかな。
…あ、でも先輩この間の試合、出てなかったんだっけ。
一年の優人も出てたのに…
「─それ、何入ってるの?」
「…え? これですか?」
あたしの思考は先輩によって遮られたけれど、会話を振ってもらえたことが嬉しくて、すぐに忘れてしまった。
「…レモンケーキ、です」
「へぇー!凄いね!作ったの?」
─…ほめられ、ちゃった。
嬉しくて声が震えちゃいそうだったから、頷いて答える。
そこで、ふといい考えが浮かんで。
先輩、おなか減ってるよね。
ラーメン行くくらいだから。

