レモンにはちみつ





初めて会った時とおなじ。


胸の奥がきゅーって苦しくて、
時間が止まったみたいに動けなくて、

そんなの不快なはずなのに、心地いいの。



──…目を離すタイミングなんて、知らない…っ


こっちから逸らすこともできずに、向こうも逸らさずに三秒間。


やっと時計が回り始めた瞬間。



先輩が、恥ずかしそうに、

“あたしに向かって”笑った。