レモンにはちみつ




いつもなら、10秒。


今日は、1分。



なんで? 遅刻?

ってか、ほんとに瀬戸先輩?


色んな疑問が、胸の鼓動と交じって不思議。



でも、はっきり見えたその顔は、瀬戸先輩そのものだった。



…たぶん、今のあたしの顔、夏穂みたいになってる。

だって熱いもん…っ



誰もいないのが楽しいのか、キョロキョロしながら笑ってる先輩。


─… かわいい。


先輩、なんだけど。
年上、なんだけど。


無邪気な笑顔に、あたしも自然と頬が緩む。