「かっこよかったぁ…」 佐藤先輩が見えなくなったあとも、この調子。 すごいなぁ、恋は。 なんて夏穂を見て感心してたら。 ─キーンコーン… 「…あ、座んなきゃ」 8時10分のチャイムに、夏穂が自分の席に帰っていく。 ──…あ!! あたし今日、瀬戸先輩見てない!! 夏穂の話に夢中で7分なんて忘れてた…… 「う…うそぉ…」 ぱたん、と机に倒れる。 唯一毎日見れる、大事な時間だったのに。