レモンにはちみつ




「かれんちゃんも恋するんだねぇ…」

「ちがっ… まだ確定してないから…っ」

「……“まだ”?」

「~~っ、ちがうもん」


完全に七瀬ちゃんのペースに飲まれる…

あたしを突き刺すような鋭い目付きに、七瀬ちゃんのドS疑惑が浮上。


「─ 瀬戸拓哉」

「…え?」

「あの先輩の名前。中学一緒だったからよく知ってる」


さっきとはうってかわって、にこりと笑った七瀬ちゃん。


そういえば、七瀬ちゃんは中学のころバスケ部だったんだっけ…


なんて、七瀬ちゃんのことを考えておきながら、しっかりとインプットされた五文字。



──… せ と た く や



……なんか恥ずかしいっ!

一文字ずつゆっくり反芻するだけで大きく跳ねる胸。


ぶんぶんっと首を振っても飛んでいかない五文字。