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「─公式戦?」
「そ。一年で俺だけ出させてもらえんだ」
嬉しそうに鼻を掻く優人(ゆうと)。
幼稚園からの幼なじみで、向かいの家に住むバスケ男子。
─10月。
入学してから半年が過ぎ、高校にも慣れてきた今日このごろ。
4月からほぼ毎日部活をしてきた優人の、高校生になって初の公式戦が次の日曜日に迫っていた。
「優人、がんばってたもんね」
「おう!もう嬉しくて寝れねぇよ」
「なんかあたしも嬉しいな」
中学校の頃からバスケに全身全霊尽くしてきた優人を知ってるからこそ、あたしも嬉しくて。
特に打ち込むものもなく、なんとなく毎日を生きてるあたしとは大違い。

