「……、なによぅ」
「ふふっ。かれんちゃんてばかわいー」
「…バカにしてる」
「してないしてない」
あたしの頬をツンツンしながら笑った七瀬ちゃんが、あたしに顔を寄せる。
「えっ、なに…」
「── さっき。先輩見てたでしょ」
「……、えっ…えぇぇええ!?」
しん、と静かになる教室内に、クスクスと笑う七瀬ちゃんの声が響いて。
「かれんってばー、静かにしなさぁい」
「は…はーい……」
おどけたように言う夏穂に返事をするけど、心臓はバクバク。
バレてた? あたしあからさま?
夏穂にも言ってないのに…
なんで七瀬ちゃんがわかるの?
っていうか…
まだ好きって確定してないもん!

