──…あ、れ。
佐藤先輩の隣の、一回り小さい人。
遠目なのに…ピンときた。
じぃっと見つめていると、その人が隣の佐藤先輩に向けた笑顔が見えて。
「……、わ…」
きゅう、と苦しそうに胸が鳴る。
──完全に、あの人だ。
だってだってだって。
あの笑顔忘れないもん。
…やばい。
絶対、顔赤いよぉ……
「かっこいい……って、かれん?」
「~~っ、気にしないでっ」
赤いのを隠すために机に伏せた顔。
頬に当たる机がちょうどいい冷たさで。
─…キーンコーン…
タイミングをはかっていたかのようなグッドタイミングで鳴ったチャイムに、夏穂があたしの席を離れる足音が聞こえた。

