そうは言っても。


「え、コレ重い!ちょっと、瀬戸~」

「アハハ!河野、変なポーズ!」


決心したとたん、この構図ですか。

あたしは苦笑いを溢しながら、沢山の荷物をかかえる実和子さんに近付いた。


「あたし、持ちます」

「えっ、いいの?助かるー!」


ボールが3つくらい入ったバッグを受けとると、そのまま体育館の入口へと歩き出した。


「宮田さん、働くね~」

「そ、そんなことない…です」

「ハハッ、どもってる」


なぜか、あたしと佐藤先輩が前を歩いて、あとの3人が後ろを歩くかたちになってて。


佐藤先輩としゃべるのは、まだ慣れない。

何考えてるかわかんない瞳や、軽いのか真剣なのかわかんない口調。


…佐藤先輩は、“わかんない”から苦手。