でも、返ってきたのは
「…だよね!バスケって見てるだけで面白い」
眉を下げた悲しそうな笑顔。
その時やっと、自分の間違いに気付いた。
先輩は、“見てるだけで”なんて、本心じゃない。
自分のチームの試合を“見てるだけ”なんて、満足するわけないもん。
バスケをプレーすることの楽しさを知ってるから、なおさら。
あたし、失敗した…。
そう思った瞬間。
「─ 瀬戸、“見てるだけで楽しい”とか言うな。お前がプレーすること諦めんなよ」
佐藤先輩がピシャリと言い放った一言が空気を止める。
重みがあって、心に響く低い声で。
ぶっきらぼうな言い方だけど、瀬戸先輩への愛が詰まってる気がした。

