「─ お!松岡気合入ってんなー」

「あ、おはようございます!」


その声に後ろを振り返ると、佐藤先輩と


「俺らが一番と思ったのになー」

「かれんちゃんもおはよう!」


─とくんっ

瞳が瀬戸先輩を捉えると、あたしの胸は高鳴る。

あたしに手を振りながら近付く先輩に、控えめに振り返す。


その隣にいる実和子さんに気付かれないように、平静を装って。


「お、おはようございますっ…」

「おはよー」


う…。
朝から瀬戸先輩と会話するなんて初めてかも。


“おはよー”の一言とキラキラの笑顔で、こんなに胸がいっぱいになる。


「宮田さん、日曜の朝っぱらから来てくれてありがとね?」

「全然大丈夫です!バスケ見てるの、楽しいし、…」


─“瀬戸先輩に会えるし”

思わず出そうになった言葉をいそいで飲み込んだ。


な、なに言おうとしてるのあたしっ!