「─あの、すいません」
そんな中、トントンと不意に肩を叩かれて、小さく跳ねた体。
ビックリしながら振り返ると、申し訳なさそうに眉を下げる人がいた。
「すみません。そんなビックリすると思わなかった」
「あ、全然大丈夫です…」
「ならよかった」
安心したようにニコッと笑った相手。
無邪気に、目を細めて。
─とくんっ…
……なに、これ。
その爽やかな笑顔に、胸が小さくなる。
いつもの心臓とはまるで違うリズム。
時間が止まったみたいに
あたしの動きも停止。
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