なんでもない

仕方ないとばかりに鍵を放り投げる。

「パシられてあげるから
今度何か奢って。」

「分かった!!」

鍵を受け取った野口はにこやかに笑った。



「あ。あんな顔もするんだ。」

意外に可愛い顔はいわゆるギャップというやつできっとあんななりじゃなかったらモテていたのだろうと思う。

あぁ、でも今時の子は不良に憧れるそうだから、私が知らないだけで彼に恋をしている人はいるのだろうか。

階段に座り込んで膝に肘をついて薄暗い廊下を見下ろすと少し怖い。


やっぱり冬は太陽が沈むのが早いな。

と、意味もなく感じてすこし心細くなる。