体育祭は現在午前の小休止を挟んでいる。

開始直後は圧倒的な白組の戦力に一方的な敗北を喫するかと思われていた赤組だが、突然の助っ人や乱入者、キャラに似合わないスペシャルバカの活躍のお陰で徐々に得点差を詰め始めている。

俄かに活気付く赤組陣営。

今年は卑怯な白組の策略を破って優勝を狙えるのではないかと、俄然やる気を見せる。

そんな盛り上がりの中、フリフリの日傘片手にアモルは佇んでいた。

覇気がない。

生気がない。

やる気がない。

顔の作りこそ端正な美貌だというのに、その表情にはどこか死の匂いさえ感じさせた。

これならば幽霊であるチャーリーの方が、よっぽど生き生きしていると思わせるほどに。