「全く…」

一歩踏み出す生徒会長。

「殿方というのは気が多くて困りますね」

表情はあくまで笑顔。

「確かに多くの女子生徒に囲まれ、取り合いをされるというのは優越感に浸れていいのかもしれませんね」

更に一歩踏み出す生徒会長。

「複数の女子生徒に慕われ、主導権を全て自分が握るというのは、満足この上ないかもしれません」

長く美しい白髪が揺れる。

「ですがね」

盲目のその瞳は、1ミリたりとも笑ってはいなかった。