天神学園高等部の奇怪な面々Ⅶ

逃げ去っていく女子生徒達にめっちゃメンチ切りながら。

「おぉ、あかんあかん」

チャーリーはポンと手を叩いた。

「こんなんしとる場合ちゃうねん。俺、体育祭出る為に実体化してん」

天神学園の大イベントの一つに数えられる文化祭を、みすみす空気よろしく霊体のままスルーしてしまったチャーリー。

体育祭だけは逃がす訳にはいかない。

「だって体育祭やで?男子がスポーツ万能なとこ見せ付けて、その日の夕暮れとかに『走ってる姿に惚れました!付き合うて下さい!』とかいう王道パターンやねんで?」

男役と女役、声色を使い分けるチャーリー。

「ただの男子でさえそれなんやさかい、俺なんてアレやで?芸人としては超一流やし男前やしスポーツも万能やもん」

うわ、自分で言っちゃったよ。

「そらモテるでぇ?もうウハウハやでぇ、俺の体もたへんかもしれんなー、女の子の相手してるうちに過労死やなんて、男冥利に尽きるで、正味な話」

と、そこまで言って。

「せやから死んでるっちゅーねん!」

シュビッ!と。

切れ味鋭いセルフツッコミが放たれた。