天神学園高等部の奇怪な面々Ⅶ

スタートと同時に飛び出すのは、第一から第三コースの男子生徒達。

いずれも白組の選手、運動部から引き抜かれた生え抜きのエリート選手ばかりだ。

力強いストライドでコースを疾走する生徒達。

特に第一コースと第三コースのデッドヒートが凄まじい。

抜きつ抜かれつの激しい攻防。

その頃藤原翁は。

「あ、いかんいかん」

まだスタート地点!

「何やってんだおじいちゃぁぁあぁあぁぁんっ!」

龍太郎が頭を抱えて悶絶する。

「誰かわしの木刀知らんかの?どこかに置いてきてしもうたわい」

キョロキョロする藤原翁に。

「!」

一振りの太刀が投げ渡される。

投げたのは冬月だ。

「銘刀『蜘蛛切』…童子切安綱(どうしきりやすつな)と並ぶ業物どすえ…御仁、あんさんなら預けてもよろしおますやろ、刀の造詣も深そうやさかいに、蜘蛛切も安心していられるやろし」