天神学園高等部の奇怪な面々Ⅶ

「ちょっ!藤原先生教師じゃん!これ教師対抗リレーじゃねぇぞっ?」

「や!正確には藤原翁、教員免許も持ってねぇっての!」

「じゃあ保護者対抗リレーッ?」

「だから障害物競走だっての!無茶なさるご老体!」

生徒達が口々に喚く中、玲菜一人が歯噛みする。

(藤原翁…貴方はこの体育祭の不正に、教鞭を振るう立場の者として自ら立ち向かうというのか…それに引き替え…私は…私は…!)

己の立場と理想に苦悩する玲菜。

…や、ぶっちゃけ藤原翁は、祭りに混ざりたいだけなのだが。

「こんなのは有り得ないだろう!教師が生徒の競技に飛び入りなど!」

当然口出ししてきたのは体育祭実行委員長。

今回の体育祭は白組全勝で高額な賭け金が転がり込むようになっている。

一敗でもする訳にはいかない。

「却下!藤原先生の参加は認められない!」

声を大にして叫ぶが。