天神学園高等部の奇怪な面々Ⅶ

校庭。

競技は障害物競走に入ろうとしていた。

コースに設置された数々の障害物を突破しながらゴールを目指す、体育祭では定番の競技の一つだ。

『それでは、選手の紹介を致します』

校庭に放送部のアナウンスが流れる。

『第一のコースから第三のコースまで、無名の生徒なので割愛』

「をいっっ!」

これも脇役の宿命。

『第四のコース…えっ…ええ…えええええっ?』

何やらおかしなアナウンスが流れる事に、競技を見守っている生徒や保護者達もざわめき始める。

何だろう、何かトラブルだろうか。

そう思っていると。

「はよぅ紹介せんかっ!」

コース上から、校庭全域に響き渡るような声。

「ええいっ、もうよいわ!第四のコース!わし!」

自ら選手紹介をするのは。

「あれは…!」

白組の諜報役として暗躍していた玲菜が声を上げる。

「剣道部の藤原顧問!」

その声に。

「「「「えぇぇえぇええぇえぇええっ!」」」」

生徒達も声を上げた。