天神学園高等部の奇怪な面々Ⅶ

体育祭のプログラムは、順調且つ体育祭実行委員長の思惑通りに進んでいた。

現在の所、白組の一方的展開。

赤組はどの競技も一勝もできていない。

「くっ…生徒会長に抗議してくらぁ!」

生徒会本部席に向かおうとする龍太郎。

「蒼、拾七式、『凍結』」

カレンが何やら不思議な言葉の羅列を呟いた途端に。

「おわっ…?」

龍太郎の両足が凍りつき、地面に縫い付けられてしまった。

「まぁまぁ落ち着きなさいな丹下君。氷が溶けるまで、そこでじっとしてなさい」

「けどな色彩!あんなふざけた体育祭があってたまるかよ!」

正々堂々張り合って負けるならともかく、こんな汚い手段での敗北など我慢ならない。

竹を割ったような性格の龍太郎らしい。

そんな彼に。

「見てご覧、龍太郎」

アモルがククッと、喉の奥で笑う。

「アンタみたいな単細胞が、教師の中にもいるみたいよ…?」