だが、学園上層部の人間や教師などは、そういう訳にもいかない。

生徒指導や怪我人が出た時の為に待機している保険医も勿論姿がある。

風紀委員長辺りは、『我、不正とか寧ろ十八番だし』みたいな顔でシレッとしている。

「…生徒会長」

校庭に並ぶ憮然とした生徒達の顔を見ながら、副会長が白髪の美少女生徒会長に耳打ちする。

「言わなくてもわかっていますとも」

コロコロ笑う生徒会長。

『よく顔出せたよな、生徒会役員が』

『去年といい今年といい、何やってんだよお前ら』

『こういう不正を正す為の生徒会の権力じゃねぇのかよ』

辛辣な心の声が、次々と生徒会長の頭の中に飛び込んでくる。

生徒達の並々ならぬ怒りは尤も。

(でもね…)

コロコロ笑いつつ、生徒会長は整列する生徒の中の一人…龍太郎に盲目の視線を向ける。

(今年は『革命』が起きるかもしれませんよ…?)