ジュース片手に、仲間達と盛り上がる龍太郎。

そんな彼のもとに。

「龍太郎」

玲菜が歩み寄ってくる。

「おぅレーさん、楽しんでっかぁ?」

「…ああ」

陽気に言う龍太郎に、玲菜は微笑む。

本当にこの男はスペシャルバカだ。

ほんの数時間前まで敵だった相手に、これ程までに屈託なく笑いかけられる。

いや、それを言うなら赤組全員が馬鹿かもしれない。

差別も偏見もなく、玲菜を仲間として受け入れ、こうして共に勝利を分かち合えるのだから。

…仮にあのまま白組に残り、優勝できていたとしても。

残るのは後味の悪いものだけだったに違いない。