「うをい!」

見るに見かねて龍太郎が物申す。

「お嬢!てめぇ何やってんだ!」

「騒々しいですわね…何ですか貧民代表」

「誰が貧民代表だ!お前何のんびりしてやがんだ!」

「何って…」

キョトンとするお嬢様。

「食事が終わって一息ついたから、ディジェスティフにグラッパを頂いているのよ」

「でぃじぇすてぃふのぐらっぱって何だっ?」

龍太郎が言うと幼稚園児が歌う童謡のようだ。

「ディジェスティフとは食後酒の事です。グラッパとはイタリア特産の蒸留酒で、ブランデーの一種、ワインを蒸留して作る一般的なブランデーとは違い、ブドウの搾りかすを発酵させたアルコールを蒸留して作ります。知識として覚えておいた方がよろしいかと、丹下様」

二宮の説明。

「ムキーッ!丹下様とか言うな!馬鹿にされてるみてぇでムカつく!」

「これは…失礼をば…」

「冷静に謝るな!余計ムカつくわっ!」

一人大激怒する龍太郎だった。