賑やかに楽しくすすめられる食事。

その様子を見ながら。

「若いわねぇ…」

少し離れた位置で、カレンは藤原翁と共に酒を酌み交わしている。

藤原翁とっておきの瓢箪入りの地酒だ。

「ええのかカレン?お主は学生じゃろうが」

ほろ酔い気分で言う藤原翁に。

「いいのよ、私は学生とはいっても未成年ではないもの。酒も煙草も嗜めるわ」

カレンは瓢箪を受け取り、呷る。

「おっ、なかなかイケるクチではないか。嬉しいのぅ。子供ばかりで飲み友達に事欠いておったんじゃ」

藤原翁は目を細め、好々爺の顔で笑った。